花といえば、ぱっと思い浮かべるのが
桜の花ではないでしょうか?
ここでは私たちの生活やこころに根付いている
さくらをテーマにいろいろ紹介していきますね。
それでは、桜の旅に出かけてみましょう!
さくらの歴史
桜は日本を代表する花で、
1000年以上も昔から愛されてきました!
昔の日本では、桜の開花が
「田んぼの神様が山から降りてくる合図」とされ、
お花見は豊作を願う神聖な行事だっ たんです。
平安時代(約1000年前)には、
貴族たちが桜を愛でる「花見の宴」を開き、
やがて江戸時代になると庶民の間にも広がりました。
おもしろエピソード 「吉野山の千本桜」
奈良県の吉野山には約3万本の桜が咲き、
「桜の聖地」と呼ばれています。
戦国武将・豊臣秀吉も、
ここで豪華なお花見をしたそうです!
ソメイヨシノのヒミツ
今、日本で見られる桜のほとんどは「ソメイヨシノ」という品種。
でも、これは種では増えず、 すべて接ぎ木で増やされた“クローン”なんです!
だから、 日本中のソメイヨシノは同じ時期にいっせいに咲くんですよ。
春になると、昔の人と同じように桜を楽しめるって、
なんだかロマンチックですね。
全国的に有名な桜の名所 日本には美しい桜の名所がたくさんあります!
その中でも特に有名なスポットを紹介します。
北海道:五稜郭公園(ごりょうかくこうえん)
特徴:星形の城跡を囲む桜が一斉に咲く絶景!
見頃:4月下旬~5月上旬
青森県:弘前公園(ひろさきこうえん)
特徴:日本屈指の桜の名所!
お堀に映る「花筏(はないかだ)」が幻想的
見頃:4月中旬~下旬
東京都:目黒川(めぐろがわ)
特徴:川沿い約4kmにわたって咲く桜並木
夜のライトアップも美しい!
見頃:3月下旬~4月上旬
神奈川県:横浜・三溪園(さんけいえん)
特徴:歴史的な日本庭園と桜のコラボが魅力
見頃:3月下旬~4月上旬
静岡県:富士山と桜(新倉山浅間公園)
特徴:五重塔と富士山、桜の絶景がそろうスポット!
見頃:4月上旬
奈良県:吉野山(よしのやま)
特徴:1,000年以上の歴史を持つ桜の名所で、
約3万本が山を染める
見頃:4月上旬~中旬
京都府:円山公園(まるやまこうえん)
特徴:大きなしだれ桜(祇園しだれ桜)が有名!
夜桜もおすすめ
見頃:3月下旬~4月上旬
兵庫県:姫路城(ひめじじょう)
特徴:「白鷺城」と桜の組み合わせが美しく、
日本らしい景色が楽しめる!
見頃:3月下旬~4月上旬
福岡県:舞鶴公園(まいづるこうえん)
特徴:福岡城跡を囲む約1,000本の桜!
お城と桜のコントラストが美しい
見頃:3月下旬~4月上旬
熊本県:熊本城(くまもとじょう)
特徴:復興中の熊本城と桜が調和した迫力ある風景!
見頃:3月下旬~4月上旬
日本全国に美しい桜の名所がたくさんあるので、
ぜひお気に入りのスポットを見つけてみてくださいね。
日本人が桜に寄せる想いと文化的な意味
桜はただの花ではなく、
日本人の心に深く根づいた特別な存在です。
昔から文学や芸術、暮らしの中に登場し、
さまざまな意味を持ってきました。
① 無常観(はかなさと美しさ)
桜は満開の時期が短く、
あっという間に散ってしまいます。
このことから、 日本人は、
「人生のはかなさ」や「美しさは永遠ではない」
という無常観を桜に重ねてきました。
平安時代の歌や、武士の精神にも影響を与えています。
② 出会いと別れの象徴
桜が咲く春は、新学期や新生活の始まりの季節。
入学式や卒業式の風景にはいつも桜があり、
新たな出発や別れを象徴する花になっています。
桜の下で誓った夢や桜の季節に別れたあの人など
人生の節目に寄り添う存在です。
③ お花見文化
奈良時代から貴族が桜を愛で、
平安時代には和歌に詠まれ、
江戸時代には庶民の楽しみとして
「お花見」が定着しました。
「桜の下でみんなで集まり、 春の訪れを楽しむ」
という習慣は今も続いています。
④ 日本の象徴としての桜
明治時代以降、
桜は日本のシンボルとして大切にされるようになり、
海外にも植えられました。
例えば、アメリカのワシントンD.C.には、
日本から贈られた桜並木があり、
今でも日米友好の象徴になっています。
桜はただ美しいだけでなく、
日本人の人生観、季節の移ろい、
人とのつながりなどを映し出す特別な花なのです。
桜にまつわる
有名な短歌・俳句・文学作品
桜は日本の文化に深く根付いていて、
たくさんの歌や文学に登場します。
花のいのちは短くて ー林芙美子ー
花のいのちは短くて、苦しきことのみ多かりき
という名言で知られるエッセイ。
桜をはじめとする花の短命さに、
人生の儚さを重ねています。
人生の中での「幸せ」と「苦しみ」を、
桜のように淡々と受け入れる視点が印象的。
読んだ後に、ふと桜を眺めながら自分の人生を
振り返りたくなるような作品です。
有名な短歌(和歌)
・世の中に たえて桜のなかりせば
春の心は のどけからまし
在原業平『古今和歌集』
意味:もしこの世に桜がなかったら、
春の心は穏やかだっただろう
美しさゆえに、散ることへの切なさを詠んだ歌。
・ひさかたの 光のどけき 春の日に
しづ心なく 花の散るらむ
紀友則『古今和歌集』
意味:こんなに穏やかで美しい春の日に、
どうして桜はせわしなく散ってしまうのだろう
有名な俳句
・さまざまの こと思ひ出す 桜かな(松尾芭蕉)
意味:桜を見ていると、
いろいろな思い出がよみがえってくる
・春風や 闘志いだきて 丘に立つ(高浜虚子)
意味:春の風が吹く中、桜の丘に立ち、希望と闘志を抱く
桜が登場する有名な文学作品
『奥の細道』(松尾芭蕉)
北の桜の名所を旅した芭蕉が、
その美しさを詠んでいます。
『徒然草』(吉田兼好)
花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものか
(花は満開だけでなく、散る様子も美しい)と、
桜の散る美しさを語っています。
『舞姫』(森鷗外)
日本とドイツの文化の違いを描いた作品で、
日本を象徴するものとして桜が登場します。
『夜桜お七』(井原西鶴)
江戸時代の小説で、
桜の季節に恋に落ちた娘・お七の悲恋を描いた物語。
『桜の森の満開の下』(坂口安吾)
桜はただの花ではなく、
日本人の心に寄り添う存在 だったことが、
昔の歌や物語からもよくわかりますね。
桜の花は、昔から日本人にとっては、
密接につながっている忘れられない恋人のような
存在なんですね。ほんとに桜のない春なんて、
考えられないですね。
コメント