自分の選択に責任を持ち、全力で取り組んだ坂本龍馬！幕末を変えた男の決断力と思考力

坂本龍馬とは何者だったのか？

坂本龍馬とは何者だったのか？

江戸時代の末期、日本が大きく揺れ動く中で、まるで嵐の中の灯台のように未来を見つめていた男がいました。その名は坂本龍馬（さかもとりょうま）。彼は、日本が外国の力にのまれようとしていた時代に、一人の若者として何を見て、何を考え、どう動いたのか。この記事では、龍馬の人生の中でも特に重要な出来事に焦点を当てて、彼の考え方や決断力について中学生のみなさんにもわかりやすく紹介します。

坂本龍馬の原点ー黒船と出会った日

1853年、アメリカのペリー提督が率いる「黒船」が浦賀にやってきました。この出来事は「開国か、戦争か」という大きな問題を日本にもたらしました。当時17歳だった坂本龍馬は、土佐（現在の高知県）という地方に住んでいました。

彼は、武士の家に生まれ、剣術の修行に励んでいたころでしたが、黒船を見たことで衝撃を受けます。

ー日本はこのままでは欧米列強に飲み込まれてしまうかもしれないー

このとき龍馬は、ただ「すごい船が来た」と驚いたのではなく、日本全体の将来に危機感を抱いたのです。この強い危機意識が、後の大きな行動へとつながっていきます。

勝海舟との出会いー「海軍」を持つという発想

それから9年後の1862年、25歳になった龍馬は、大きな転機を迎えます。江戸で幕府の政治家・勝海舟（かつかいしゅう）に出会ったのです。

最初は「幕府を倒すべきだ」と考えていた龍馬ですが、勝の話を聞いて大きな影響を受けます。勝はこう言いました。

ーこれからの時代、日本も西洋に学んで、海軍を持たねばならぬー

この言葉に龍馬は深く共感し、自分も「国を守るために、新しい日本をつくる」ことに力を注ぐ決意を固めます。彼は勝の弟子となり、のちに「海援隊（かいえんたい）」という組織を作り、日本初の民間貿易会社のような活動を始めます。

つまり、坂本龍馬は「武士」でありながら、「ビジネスマン」や「プロデューサー」のような顔も持っていたのです。

薩長同盟の立役者となる

1860年代、日本は大きく二つの勢力に分かれていました。

・薩摩藩（さつまはん）：現在の鹿児島県・長州藩（ちょうしゅうはん）：現在の山口県

この二つの藩は敵同士で、まるでケンカ状態。どちらも「幕府に反対」していたのに、手を組めずにいたのです。

ここで登場するのが坂本龍馬。彼は、二つの藩の間に立ち、お互いの誤解を解き、ついには手を組ませることに成功します。

この「薩長同盟（さっちょうどうめい）」は、のちの明治維新へとつながる非常に大きな一歩でした。もし龍馬がいなければ、日本はもっと長い間混乱していたかもしれません。

船中八策ー未来を見通した坂本龍馬のビジョン

龍馬がすごいのは、ただ目の前の問題を解決するだけでなく、「これからの日本はどうあるべきか」をしっかり考えていた点です。

彼は、1867年に「船中八策（せんちゅうはっさく）」という文章を作ります。これは、明治維新の前に「こういう国にしていこう」と提案したものです。

内容はこんな感じです。

・天皇中心の新しい政治をつくる
・能力ある人が政治を行うようにする
・海外と平等な関係をつくる
・商業を自由にして経済を活性化させる

これを読むと、まるで現代の日本の制度に通じる部分もあります。つまり、龍馬は150年以上前に「未来の日本像」をイメージしていたのです。

坂本龍馬のすごさは「仲間を巻き込む力」

坂本龍馬の行動力は確かにすごいです。でも、彼の本当の強さは、「自分一人で何でもしようとしなかった」ところにあります。

彼はいつも「この人とこの人が手を組めば、もっと大きな力になる」と考えて行動しました。たとえば…

・勝海舟から学んだ海軍の考えを、海援隊で実行
・薩摩と長州をつなぎ、敵を味方に変える
・仲間の岩崎弥太郎（のちの三菱創業者）を育てる

つまり、「人を信じ、人を動かし、人を育てる」ーそれが龍馬の本質でした。

坂本龍馬が残したメッセージー今を生きる私たちへ

1867年、坂本龍馬は33歳の若さで暗殺されてしまいます。しかし、彼の考え方や決断は、その後の日本に深く影響を与えました。

もし今、あなたが「自分は何ができるんだろう」「未来が不安だ」と感じているなら、龍馬の生き方を思い出してください。

彼は、たった一人の若者として世の中を変える一歩を踏み出しました。そして仲間をつくり、信念を貫き、短い命でありながら日本の歴史を動かしたのです。

まとめー坂本龍馬から学べる５つのこと

・時代の変化を見て、自分の頭で考える
・大きな夢を持ち、それに向かって行動する
・人の意見を聞き、柔軟に考えを変える
・仲間を信じて、チームで動く
・国の未来を真剣に考える姿勢を持つ

坂本龍馬の生き方は、現代の中学生にもたくさんのヒントを与えてくれます。今は小さな一歩でも、それが未来を変える大きな決断につながるかもしれません。あなたも、龍馬のように「今、自分にできることは何か」を考えてみてください。