はじめにー言葉には、物語がある
みなさんは英単語を覚えるとき、こんなふうに思ったことはありませんか?
ー「どうしてこの単語、こんな意味なんだろう?」
ー「もっと単語に親しみを持てたら、楽しく覚えられるのに」
そう、英単語にはそれぞれ生まれた理由があるんです。
今回は、そんな背景をたどる旅にご招待しましょう。
テーマは、
ambition(野心)
candidate(候補者)
この2つの単語に隠された、ちょっと意外で面白い物語です。
さあ、一緒に中世ヨーロッパの街角へ、時空を超えて出かけましょう!
ambitionー野心は、どこから生まれた?
ambitionの語源をひもとく
最初に、ambitionという単語を見てみましょう。
いま私たちはこの言葉を「野心」と訳しますが、
語源をたどると、まったく違う光景が広がってきます。
語源はラテン語の「ambitio(アンビティオ)」。
これは、「あちこちを歩き回ること」という意味でした。
なんでそんな意味から「野心」になるの?と思いますよね。
実はここに、ローマ時代の政治家たちの姿が関係しているんです。
ローマの広場を歩き回った男たち
紀元前のローマ。
政治家たちは、選挙で自分に票を入れてもらうため、
広場や市場を歩き回っては、一人ひとりに声をかけていました。
「どうか私に一票を!」
「必ずあなたのために働きます!」
そうやって人々にアピールするために、町中を回ることをambitioと呼んだのです。
つまりambitio=支持を得るために歩き回る行動。
ここから、「なんとかして出世したい」「自分の力を高めたい」という強い願望を表すようになりました。
それが後に英語のambitionになったんです。
ambitionは悪い意味じゃない?
今の日本語で「野心」というと、
ちょっと悪いイメージを持つかもしれません。
でも本来のambitionは、
「努力して夢を叶えたい」という前向きなエネルギーでした。
あちこちを歩きながら、必死に自分を売り込んだローマの若者たち。
彼らの情熱を思うと、ambitionもなんだか応援したくなりますね。
candidateーなぜ「白い服」が関係している?
candidateの語源もラテン語だった!
次に、candidateを見てみましょう。
「候補者」という意味のこの単語にも、
面白い背景が隠れています。
語源はラテン語のcandidatus(カンディダトゥス)。
なんとこれは、「白い服を着た人」という意味だったんです!
えっ、白い服?どういうこと?
そう思いますよね。ここにも、ローマの政治が関係しているんです。
真っ白なトーガを着て、支持を訴えた
ローマ時代、選挙に出る人たちは、
特別に漂白した真っ白なトーガ(長い布の服)を身にまといました。
これは、「私はやましいところがありません」「清らかです」というメッセージ。
つまり、見た目からして「信用できる人」に見せる作戦だったんです。
選挙に出る=白い服を着る
そこから、candidatus=候補者という意味になりました。
そしてそれが英語のcandidateに変化していったのです。
candidateとcandidの不思議な関係
ちなみに、同じラテン語candidus(カンディドゥス)=白い、率直な
から派生して、
英語の**candid(率直な、正直な)**という単語も生まれました。
白=汚れがない、ウソをつかない、というイメージが、
こんなふうに言葉にも表れているんですね。
ambitionとcandidateに隠れた共通点とは?
どちらも「夢を叶えたい」気持ちから生まれた
ここまでの物語をまとめると、
ambitionもcandidateも、「夢を叶えたい」という強い願いから生まれたということがわかります。
・ambitionーあちこち歩き回りながら、夢を追いかける
・candidateー白い服を着て、夢をつかみに行く
どちらも、ただの単語ではなく、
人々の努力や願いがぎゅっと詰まっているんですね。
あなたのambitionは何ですか?
さて、ここであなたに質問です。
ーあなたのambitionは何ですか?
どんな夢でもいいんです。
ローマ時代の若者たちみたいに、
一歩ずつ歩きながら、白い服を着るくらい堂々と胸を張って、
夢に向かって進んでいきましょう!
まとめー言葉を知ると、世界がもっと広がる
今回は、
ambitionとcandidateの語源ストーリーを紹介しました。
・ambition=歩き回って夢を追いかける
・candidate=白い服を着て夢に挑む
こんなふうに、英単語の後ろにはたくさんの物語が隠れています。
知れば知るほど、単語に親しみが湧き、
英語学習もぐっと楽しくなりますよ。
これからも、いろんな単語たちのストーリーを、
一緒に旅していきましょう!
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